「おい、! 出掛けるぞ!」
「…はい? どこへですか?」
「行けば分かる」


確かに部屋で暇してたが、相変わらず強引な人だと思う。

有無も言わせてもらえず、連れていかれ、強制的に馬に乗せられた。
背後には政宗が乗り、後ろから手綱を握る。
後ろから包まれるような感覚に、つい少し顔が赤らんでしまう。

それにしても、もう少しで夕餉だというのに、どこに行くというのだろう。
そもそも、仕事は全て終わらせてきたのだろうか。


「政宗様、お仕事は?」
「舌噛むぞ、


成程、小十郎から逃げてきたのか。

政宗は、かなり日常的に小十郎から逃げている気がする。
少しだけ小十郎に同情してしまう。

それでも政宗と、こうして外に出るというのは嬉しいことだ。
最近は特に戦ばかりだったから尚更。


「着いたぞ」


いつの間にか馬は止まっていて、目の前には海が広がっていた。
しかも時間帯的に、丁度綺麗な楓色の太陽が、今にも海へと沈もうとしている。


「……きれい」
「だろ。この前見つけたんだ」


この夕陽を見せるために、小十郎から逃げてでも連れてきてくれたらしい。


「ありがとうございます」
「あぁ」
「また、連れてきてください。政宗様が天下をその手に治めた時に」
「Of course.」


には外来語の知識はないが、その言葉が肯定という事だけは伝わった。


「ありがとうございます」
「よし、帰るか」
「もうですか?」


折角来たのに、ともう一度夕陽に目を向ける。


「いや、そろそろ…」


そうだった。
この人は抜け出してきたんだった。

そのことを思い出すと、なぜかかわいく思えてしまう。


「今度は、じっくり見せてくださいね」
「あぁ」





ゆうやけこやけ






もちろん、帰ると小十郎の小言兼お説教。
どちらかというと被害者のも、共犯者として一緒にそれに付き合った。




***
突発的に書きたくなったもの。


100818


←back