「えーと……ちゃん?」
「あ、佐助さん! よかった……!」


城下町をおろおろと歩いていたは、佐助が声をかけるなり、不安そうな顔から一変、ぱあっと明るくなる。
その様子に、思わず佐助は深く溜め息をついてしまう。

は今月5回目の迷子になっていた。
最初こそ心配していた佐助だったが、城下町に出る度に迷子になるを心配することもなくなっていた。


「はぁー……あれほど1人で町に出るなって言ったのに……」
「だって、暇なんだもん」
「だったら、お付きぐらい付けてって言ってるでしょ!」


だって、と頬を膨らますを、佐助はつい可愛らしいと思ってしまう。


「ほら、旦那が城で待ってるよ」


そう言って歩き出す佐助だったが、すぐに止まって、歩き出さないを振り返る。


ちゃん、どうしたの?」
「あの……足が……」


それだけ言って、は俯いてしまう。


「足?」
「ずっと歩いてて……痛いんです……」


だったら歩き回らないでどこかで休んでいたらよかったのに、と思い、佐助はまた溜め息をつく。
しかし何かを思いつき、笑みを浮かべる。


「ひゃっ!?」


は佐助に抱えられていた。
周りの景色はすごい速さで流れていく。

流石忍。
にはそう思う余裕もなく、ただただ顔を真っ赤に染めていた。


「なーに、ちゃん。照れてるの?」
「…………か……」
「ん?」
「佐助さんの馬鹿……」


そんな姿を見て、佐助は再びを可愛いと思ったのだった。




***




上田城で出迎えてくれた幸村は、佐助と、その佐助に抱えられているを見るなり、と同じように顔を真っ赤に染める。
そして、破廉恥でござるぅー、と叫び、走り去った。

そんな幸村を見て、は一層顔を赤くした。


「佐助さん、いい加減降ろしてください!」




***
拍手、ありがとうございます!

やっと思い出し、お礼夢書きました。
ずっと忘れてました……←

たまたま間違えて拍手を押して気づきました。


090818


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