幸村は珍しく、執務を早めに終わらせた。
天井裏で佐助が見張っていて怖かっただけだが。
そんなとき、廊下から馴染み深い足音が。
「幸村様、よろしいですか」
「殿か。どうなされた」
すーっと静かにドアを開けると、予想通りの人物、がいた。
「あの、髪の毛切ってもらっていいですか?」
がそう言うと、なぜか幸村は固まってしまった。
そういえば昔の女性って、髪の毛命だったんだっけ、と呑気に思う。
「ほら、えーっと、痛んでる先の方だけ」
「そ、そうであったか。しかし、某でよろしいのか?」
「もちろんです」
適当に誤魔化したら納得してくれたよう。
それに、慣れてきたのか、に対して、あまり破廉恥を連呼しなくなった。
「某、髪など切ったことが……」
「大丈夫ですよ。ただ先を少し切ってくださるだけで良いので」
その時、なんの前触れもなく佐助が降りてきた。
「ちゃん、そんなんで旦那ができる訳ないでしょ」
「な! 失礼な!」
も危うく、成程、と口にしてしまいそうになった。
「ほら、鋏持って、旦那」
「しかし!」
「教えてあげるって」
なら佐助がやればよいではないか、などというやり取りを繰り返したが、結局幸村が鋏を持つ。
「先を切るだけでいいんだよね」
「あ、はい」
「ほら、旦那」
「む、こうで良いのか?」
は、戸惑いながらも、佐助の言う通りに切っていく幸村を可愛いと思ってしまう。
そして、また髪の毛を切ってもらうとき、また幸村に頼もうと思った。
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カオスの一言。
090909