佐助の言った通り、茶屋はすぐそこであった。
先程の山賊は、どうやら茶屋の客を狙っていたらしい。

そして二人は休息という名の間食をしていた。


「でもちゃん、よくこんな山奥の茶屋知ってたねー」
「知りませんでしたよ」


あたかも当たり前のようには言う。
確かにこんな山奥に来たことはないだろうが、でも。


ちゃんが来たいって言ったんじゃないの?」
「いや、私は佐助さんと二人になりたい、って幸村様に言っただけで……」


じゃあこの山奥の茶屋に来させたのは、幸村の意思。
旦那、半分は本気で団子食いたかったな、と悪態をつきつつ、少し感謝する。

その時、あ、そうだ、と突然が間抜けな声を出す。


「ん、どうした?」
「これ、この前の簪のお返しです」


そう言ったの手には、可愛らしい巾着が。
まさかかなり前の贈り物のお返しがあるとも思わなかった。
不意打ち。


「あの、何を買ったらいいか分からなくて……巾着なら何にでも使えるかと思って……」
「うん、ありがとう。使うよ、絶対」


嘘はない。
絶対大事に使う。


(こりゃ、本気で旦那に感謝しないとな)


その日、佐助が幸村に渡した団子は、普段から多い量より更に多かったという。




←back


***
+aという名のおまけ。
こちらはおまけなので、短いとかいうレベルじゃない。


090821