「……わかりませんか?」
「いや、これは分かんないでしょ」


佐助の目の前に出されたのは、の手で塗り潰されたとしか思えない紙。
曰く、どっかの国で食べた美味しいもの。

それを作れと言うのだが、ただ中心部を塗り潰したとしか思えないこの絵を見て、何をどう作れと言うのだ。


「何が入ってた?」
「人参……?」


人参が入っている料理などいくらでもあるだろ、と突っ込みを入れたくなる。
しかもなぜ疑問系なんだ。


「えーと、煮物?」
「うーん、そんな感じだったと思います」


人参が入った煮物みたいな感じのもの。
そんな料理いくらでもある。

せめてどこの国か分かればいいのだが。


「それってさ、この前京都に行ったときに食べたんじゃなくって」
「違うと思います」
「そんなに食べたいの?」
「おいしかったんですもん」


だったらちゃんと覚えておこうよ、と呆れる。


「作れませんか?」
「確かに俺様料理は得意だよ。でもこれはちょっと……」


しばらく手に持った和紙を見つめて、唸り続けるのだった。




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***
これまでにない短さ。
絵の下手な阿呆なヒロインのお話。


090828