この短編は574話のネタバレを含んでいます。
また、私の自己満足の要素が多いです。
そのため、原作のネタバレと言いつつ、200%捏造です。

それでも読んでくださる方のみスクロールしてお進みください。








































「ねえ、マルコ」
「なんだよい」


日常的に何度繰り返してきたはずのこのやり取りも、普段の明るい雰囲気とは違い、幾分も暗い。
声音だけでこうも雰囲気が変わるのかと、しみじみ感じさせられる。


「エース、助かるよね。死なないよね」
「あぁ」


大丈夫だ、と言葉を続けたいのに、自信がないためか、続けられない。
いつもだったら何も考えずに、すらすらと を励ます言葉を羅列出来るのに、今回はどうしてもできない。


「あたしのせいだ……あの場にいて、誰よりも早く、強く、エースを止めなきゃいけなかった。でも…っ」


言葉を重ねる度に涙は溢れて、声も震えて。
それでもは喋り続けた。


「挑発だ、って分かってても、それでも……許せなかった……」


間違いなく歴史に刻まれることになる、海軍と海賊たちの戦争とも言える戦い。
その引き金となったエースの公開処刑。
はルフィ達と共に、その中心でエースの自由を奪っていた海楼石を外し、誰もがエースの救出が成功したと確信する。

その中、赤犬は冷静に白ひげを使い、あからさまに挑発した。
あからさまでも、エースにとっても、にとっても、自らが慕う白ひげへの侮辱としてとしか受け取れず、船へと向かう足を止めてしまう。

顔色を変え、踵を返したエースに対して、はそのエースを飛び越えて刀で斬りかかる。
赤犬はそれを存在していないかのように避け、ルフィへと赤黒い拳を構え、今にも降り下ろそうとしている。

エースはルフィと赤犬との間に立ち塞がり、はそれを見て顔色を変え、体制を崩したまま、自身の悪魔の実の能力である水を赤犬の拳に集中させた。

冷えた赤犬の拳はエースの鳩尾へと直撃したものの、彼の身体を貫くことはなかった。
それでも威力は相当のもので。

そのままエースは3日間目を覚ましていない。


「でもがいなきゃ、エースは助からなかったよい」
「……ありがとう、マルコ。ありがとう」


それでもやっぱり自分のせいとしか思えないけれど。
いくらか気持ちは楽になる。


さん! マルコ隊長!」


自分たちの名を叫びながら駆けてきた船医見習いの表情は、慌てたようでもあったが、満面の笑みだった。

それが何を意味するかは言葉にしなくてもたちには伝わる。

は言葉を発するより先に、船医室に、エースのもとに走った。

息を切らしながら乱暴に扉を開けたの目に入ったのは、数日ぶりに見るエースの漆黒の瞳。
安心したのか、はその場にぺたりと座り込んでしまう。


「……馬鹿阿呆変態変人炎」


すごく細い声だったけれど、静まり返っている部屋には充分な声量。


「……炎は、ねぇだろ」


エースの言葉は普段通りだけれども、普段より数段小さく、腹の痛みか、苦しそうだった。


「愛してくれてありがとうなんて、そんな言葉、いらない。だから、だから……っ」


一旦言葉を区切ったの目からは大量の涙が溢れている。


「離れないで…ずっと、側にいて……」
「ありがとう、
「……馬鹿エース」




***
夢だったらいいのに、と思います。
まだ受け入れられないあの出来事。

100807


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