003













なぜローは自分を仲間にしようと思ったのだろう。
理解できない。


「何があった」


突然そう聞かれ、正直困った。

そもそもあんなに傷だらけで倒れていたら、不思議に思うだろう。
でもまさかこの男に、それを聞かれるとは思わなかった。


「海軍と少しいざこざを」


嘘は言えなかった。
仮にもこの男は恩人だし、何よりプライドが許さなかった。


「海賊か?」
「違います。ただの村人って言ったことに嘘はありません」


海軍に喧嘩を売る連中なんかは、ほとんどが海賊だ。
ただの村人が海軍といざこざを起こすことなど、聞いたことがない。


「……子供が斬られそうになってたから」




***




の村は海軍の駐屯地があり、駐屯地の全てを任されていた少佐にほとんど支配されている形だった。

王にでもなったつもりだったのだろう。
自分が気に入らないと思った村人は、問答無用で斬りつけた。
殺すことはしなかったが、斬られる村人は少なくはなかった。

その少佐が、の村にやって来たのは7年前。
最初の被害者はの両親だった。

村の様子見と言って、村を歩いていた少佐に幼いがぶつかってしまったのだ。
しかもその手にはジュースが。

自分にぶつかった上に、服に染みをつけられたことに逆上し、少佐は腰に刺していた剣をへ降り下ろそうとした。

だが斬りつけられたのはの母親。
騒ぎを聞いて駆け付けた父親が、再び降り下ろされようとしていた剣を自身の剣で受け止め、剣を落とさせようと、少佐の手を軽く斬りつける。
すると、周りにいた海兵が一斉に発泡。
この事件で、の両親は死亡。

村人に恐怖を植え付けた。

だけは母に守られ、生き残ったが、村人には事件の元凶として認識され、避けられるようになった。
は叔母に引き取られたが、それも嫌々だった。

父の残した道場で、一人で剣の修行を行うときだけは、誰にも嫌味を言われることなく、落ち着く時間となった。
次第に一人を好み、道場で過ごす時間が長くなった。

そして丁度7年が経った日。
の両親の命日。

久しぶりに花を買いに村を出ると、不運にも例の少佐に鉢合わせした。

まだいたのか、という舌打ちを堪え、立ち去ろうとしたとき、まだ幼い子供が目の前で少佐に衝突した。
少佐もに鉢合わせしたことで、7年前のことを思い出したのだろう。
目の色を変え、子供に斬りかかろうとする。

も日常的に持ち歩いていた剣で、それを受け止め、7年前の父と同じように少佐の手を斬る。

運良く、その日は護衛の海兵がいなかったため、大量の銃声が襲ってくることはなかった。
後ろで泣く子供を逃がし、自分も立ち去った。




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夏バテ気味です。
夏は弱くてしょうがない。

100814