008













ローと一緒に食堂に行ったら、コックは迷うことなくオムライスを出してきた。

ローは普通にパスタにサラダ。
再び自分の皿に目を戻すと、オムライス。
皿の端にはちょこんとミニトマトが2つ並んでいる。

これじゃ、まるでお子様ランチだ。


(確かにオムライスは好きだけれども…!)


「これ……絶対にコックさん勘違いしてますよね」
「だろうな」
「だろうな、って……」


無責任な、と思ったけど、確かにローに責任はない。
自分が低身長で、童顔なことが原因なのだろう。

それにしても、この待遇は軽く傷付く。


「私もみんなと同じもの、食べれます」
「それをコックに言え」


ばっさりと切り捨てられた。
だってあんなにニコニコと出されたら、言いづらいじゃないか。

それでも毎日これが続くと、間違いなく誤解が広がる。
頑張ろう、と小さく決心。
そうと決まれば、このオムライスは美味しくいただくとしよう。

一口食べてみたら、予想以上においしくて、あっという間に平らげた。
中が思ったより熱くて、少し舌を火傷したけど。


「あ、キャプテン。この船、剣振り回せるとこありますか?」


やっと剣を返してもらったので、聞いてみる。
そしたらなぜか怪訝な顔をされた。
まだ剣は駄目なのだろうか。


「さっき教えたよな?」
「……」


思い出せない。
必死で頭に入れたはずだったのだが。


「……もう一度お願いします」


物忘れが激しいのか、方向音痴で道が覚えられないのか。
恐らく両方。

の頭の中に確実にインプットされていたのは、船長室、その隣の船医室、そして今いる食堂。
その2倍以上は案内してもらったと思うが、曖昧にしか覚えてない。


「はぁ……ついてこい」
「はい!」


皿を丁寧に返して、ローの後ろをついていく。


(見失ったら迷子になる!)



「なんですか?」
「邪魔にならなければ、甲板で振り回していい。後、海が緩やかな時以外は剣握るな」
「分かりました」


自信満々に頷いていたが、少し心配になる。
物覚えの悪さだけはよく分かったから。


(……あ! コックさんの誤解解くの忘れた!)




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***
この長編だけはぽんぽん書ける。

100824