014
前の島から無事出航し、ゆらりゆらりと船は順調に進んでいた。
ローはソファーで本を読み、はベッドでうとうととしている。
そんなとき、見張りのクルーが声を張り上げて叫んだ。
「敵襲だぁー!」
この声に、ローはすぐに本を閉じ、もすぐに飛び起きる。
「行くか?」
「もちろんです」
戦闘経験なんてほとんどなかったけど、戦闘要員として仲間にしてもらったんだ。
闘わなければ。
***
敵船というのは、海軍だったらしい。
一隻の海軍船がどんどんと近付いている。
「一隻なら俺とで充分だ。行くぞ、」
「あ、はい!」
相手の焦り様からして、上位の海兵は乗っていない。
きっと自分がいなくても、そんな海軍一隻くらいロー一人で楽勝だった。
それどころか、恐らく他のクルー数名でも大丈夫だっただろう。
それでも側に置いてくれたことが嬉しくて仕方ない。
案の定、ほんの十分程で全ての海兵は戦闘不能になった。
海賊らしく、食べ物などを奪っていると、船から数名のクルーの叫びが聞こえた。
「キャプテン! !」
二人に聞こえたのはそれだけ。
早く戻れ。
その言葉は二人に届くことなく、状況を掴めないまま、ローとの乗った海軍船が崩れた。
最初は何が起こったか分からなかったが、ハートの海賊団でない雄叫び声が聞こえ、他の海賊による攻撃だということが分かった。
がなんとか水面から顔を出すと、船から焦った声が聞こえてくる。
「、キャプテンを!」
「え」
見渡してもローの姿はない。
理解するより先に潜り、ローを探す。
幸い、ローはまだそう深くまでは沈んでおらず、すぐに腕を掴み、水面まで引き上げる。
「キャプテン! 大丈夫ですか?」
「……あぁ」
むせながらも、とりあえずは大丈夫そうだ。
「…泳げないんですか?」
「能力者は、海に嫌われる」
確かにローが悪魔の実の能力者ということは、聞いていた。
でも能力者のことを、はほとんどと言っていいほど知らない。
「海に、嫌われる…?」
「あぁ」
あまり動きたくないのか、最低限の返答だけして、全体重をに預ける。
の小さな体では、それを支えるのは大変だったが、やっとの思いで船から下ろされたロープを掴む。
船に上がると、はすぐにローをその場にいたクルーに任せて、敵船へ乗り込んだ。
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100912