019
自分たちが関わった女は擦り寄ってくる女ばかりで、キスをされたくらいでこんなに真っ赤になる女など見たことがなかった。
「、男と女が一緒の部屋、一緒のベッドで寝るってどういう意味か分かるか?」
シャチが珍しく真顔で話すものだから、も真顔で分からないといった空気を出している。
「……分からない」
の言葉に、シャチはわざとらしく、はぁ、と溜息をついてペンギンにバトンタッチして自分はどこかに行ってしまった。
「キャプテンも男なんだ、許してやってくれ」
「うーん……」
「本当なら初日に襲われてもおかしくないんだぞ」
「襲わっ……!」
「そういうことだ」
少し落ちついたかと思ったの顔が、再び紅潮していく。
正直面白い。
「じゃあ、キャプテンにキスされて嫌だったか?」
少し意地の悪い質問をした。
は分からない、とでも言うかと思ったが、少し考えた後、首を小さく振ってみせた。
「嫌じゃないならいいじゃないか」
「でも……っ!」
そういう問題じゃない、とそのまま俯いてしまった。
純粋なみたいな女の子の扱いは難しい、と投げ出したくなるのに、そうできない自分は相当お人好しだと思う。
「キャプテンは好きか?」
「好き」
今度は迷い無く言ってみせた。
「それを全部キャプテンに言って来い」
「……分かった」
今度こそ襲われるかもしれないが、と心の中で思う。
それでももやもやが解決すると信じてローのもとに走るを見て、少しだけ罪悪感を感じた。
***
「キャプテン!」
「……どうした?」
しばらくはが戻って来ないと思っていたのだろう。
予想外に早く戻ってきたを見て、ローにしては珍しく驚いている。
「私! キャプテンが好き。キス、嫌じゃ、なかった……よ……」
最後の方は恥ずかしさからか、尻すぼみになっていたが、全部聞こえていた。
が自分からこんなことを言い出すなど、8割方クルーに何か言われたのだろう。
涙目で見上げてくる小さなは、子供のようだが、そうではない。
「……他の男にそんな顔するなよ」
意地悪に、襲われるぞ、と耳元で言ってやれば、目を見開いてまた真っ赤になった。
そのの頭をくしゃっと撫でると、今度は気持ち良さそうな顔になる。
クルーたちには、襲わないよう釘を刺しておこう。
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120904