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好き、と勢いで口走ってはみたが、自分でもそれがどのような好きなのかはわからない。
それが所謂“恋”なのかと聞かれれば、返答に困ってしまう。
ローも好きだが他のクルーだって好きなのだ。


「今度はどうした、
「好きってなんだろうね、ペンギン」


突然何かを悟ったようにそう言い出すに、ペンギンは頭を悩ませる。


「さっきキャプテンが好きって言ってたじゃないか」
「キャプテンは大好きだけど、みんな大好きだよ」


は、今までしばらく人を好きになるどころか、人を慕うことさえしてこなかった。
そのせいかは分からないが、にとって“好き”か“嫌い”かの二択しかないのだろう。

17歳と言えば、人を好きになって、付き合って、といったことを普通にしていてもおかしくはないが、にとっては人を好きになるというのが、どういうことなのかさえ分からないのだろう。
そうだとすると、先程の自分はなんて余計なことをに言わせてしまったのだろう。


「こい、ってなんだろうね」


そうやって遠い目をして一人のことを考えているは、立派に恋をしている。


「そのうち分かるさ」


答えが分からないというのは、こんなにもやもやするものなのか。
なぜか無性に、今答えがほしい。

ペンギンだと難しくて言ってることが分からないので、本能で動いてそうなシャチに聞いてみよう。
そう思って船内を散策してみたら、シャチはあっさり見つかった。


「シャチー、恋って何?」
「……は?」


単刀直入に聞いたら、シャチはそれはそれは意味の分からないといった顔をした。
はといえば、至って真顔。
それを崩す気配すらない。


「何をしてても頭から離れなかったり、ずっと一緒にいたいって思うことじゃないのか」
「……分かんない」


ぐぬぬ、といった表情で理解できていないらしいの顔は、正直かわいい。
ペット的な意味で。

あまりの質問を真に受けていないシャチは、そんなことを思いながらを眺める。


「キャプテンも、ペンギンとかシャチとかベポとかもみんな大好きだけど、なんか違う」
「何がだよ」
「キャプテンだけなんか違う」
「それが恋じゃないのか」


え、と間が抜けた返事を返して固まる
いちいち面白い。




(なんか……表情豊かになったよな)




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120910