昼間から宴をしていた白ひげ海賊団。

そんな中、敵襲が。
昼間から宴をすることは珍しくなかったが、奇跡的にも敵襲と重なることはなかった。
しかし敵船は現れてしまい、しかもこの日は運が悪いことに、酔っぱらいの数が異常に多かった。


「やっぱり昼間から宴なんか、やめた方がいいんですよ」
「こいつらやめさせようとしたって、やめねぇよい」
「……同感」


酒を飲めないと、もしもに備えて昼間は飲まないようにしているマルコが、動けるクルーを仕切っていた。
マルコ以外の隊長達は、先陣を切って飲み比べをしたりと、一番飲んでいたため、この騒音でも起きないだろう。


「ちょっと久しぶりに大きい島に寄れたからって、昼間から宴はやめてほしい」
「俺に愚痴るなよい」


敵を斬り倒しながら、マルコに愚痴ってみるが、予想通りの答えが返ってきた。
後で親父に愚痴ろう、そうしよう。
きっと返ってくるのは、グラララという笑いだけだろうけど。

そしてこれからも親父は、昼間から宴を始めるだろう。


「……いっそのこと私も酒飲もうかな」
「やめてくれよい。敵襲より厄介だい」
「失礼な!」


マルコは以前に、が酒を飲まされたときを思い出してるのだろう。
自身は記憶がなく、酷かったとしか教えてもらえなかったが。

「もうやだ、昼寝したい」と愚痴るの後ろから、突然熱気が襲ってきた。

「隊長!? 戻ってください!」


隊長達の中でも、この馬鹿な二番隊隊長は一番酔っていたはずだ。
酔って、訳も分からない状況で彼の能力を使われたら困る。
でも二番隊隊長――エースには、の言葉は聞こえおらず、戦い好きの本能だけで乗り込んできたらしい。

本当に勘弁してほしい。
いつこちらに攻撃してくるかとヒヤヒヤしていると、それまでふらふらと千鳥足で歩いていたエースの動きが止まった。
と思ったら、体が傾き、真っ逆さまに海に落ちた。


「落ちた!?」


運悪く、船の端を歩いていたらしい。
洒落にならない。


「マルコ隊長、任せます! 馬鹿な隊長、寝て、落ちた!」
「本当に馬鹿だよい、アイツは!」


敵が大分減った戦いを、マルコに任せ、は海に飛び込む。
能力者も多い海賊団なので、能力者でないが助けることは少なくない。

それにしても、酔っ払いが海に入るというだけで、自殺行為なはず。
焦るの気持ちとは裏腹に、エースの姿は見付けたものの、手が届かない。
やっとのことでエースに手が届き、水面に顔を出したら、酸欠で少し意識が飛びそうになる。

一方エースは、案の定息をしてない。
急いでモビーディック号まで泳いで、大声を張り上げる。
気付いてもらえる自信はなかったが、予想外にもクルーの一人が気付き、浮き輪で引き上げてもらえた。


「船医、呼んで…!」


引き上げてくれたクルーに、お礼を言うより先にそう言って、自分はエースに水を吐き出させようとする。

乱暴に背中を叩いたり、心臓マッサージをしたり。
ちょっとずつ、ちょっとずつ全ての海水を吐き出させた。
呼吸が戻ったのを確認し、安心したらどっと疲労が襲う。


「馬鹿隊長……酔っ払って海に落ちて死にました、とか笑えない」


本当に死んじゃうかと思った。
ぺしん、と軽く額を叩いてやったが、まだ起きる気配はなかった。





おぼれるな、ばか






(いてっ! 起きていきなり殴るなよ、!)
(落ちた隊長が悪い! 本当に死んじゃうかと思ったんですから!)
(は? 落ちた?)
(……)
(って! だから殴るなって!)


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***
エースが空気な気がしてならない


100821


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