「やばい……だるい……」


何日か前から調子が悪いとは思っていた。
それが目を覚ました瞬間にだるさを感じる程に悪化した。


(結構つらいかもしれない……)


ローに言えば、薬ももらえるだろうが。
怒られそう。

風邪気味程度の違和感でも、ローであれば顔を合わせればバレるだろう、としばらく顔を合わせていない。
やはり怒られるのが怖く、寝ていれば治るだろうと決意し、そのまま目を閉じる。
だが、眠気に身を委ねるより先にベポの楽しそうな声で目が覚めた。


ー! もうすぐ島に着くってよ! 朝ごはん食べよう!」
「ベポごめん、まだ眠いー」


以前、女の子の部屋に勝手に入るな、と怒ってからは部屋に入ってくることはなくなったベポ。
だからと言って、部屋の前で大声で叫ぶのはやめてほしい。

でも、でも、と部屋の前から動かないベポとは別の足音が聞こえたと思ったら、勢いよく扉が開かれた。
驚いて扉の方へ目を向けると、何日かぶりに見る船長の姿。
いつも聞きわけのいいベポが部屋の前からすぐにいなくならなかったわけが分かった気がする。

どうしていいか分からず、とりあえずかけ布団を思い切りかぶって隠れる。
しかし、それだけのことでローが引くはずもなく、布団は呆気なく剥がされた。
ずっと避けられていて苛立っていたのだろう。
顔を枕に埋めて無駄な抵抗を続けるに、ローは乱暴に腕を掴み上げ、無理矢理起こしたところで異変に気付いたらしい。


「おい、お前……」


バレても潔く目を合わせられない。


「……寝てろ」


怒られると思っていたが、腕の拘束が開放され、降ってきたのは予想外の優しい言葉。
言われた通りに眠りにつこうと目を閉じる。

それもすぐに、再び開いた扉の音で妨げられた。
入ってきたのはお粥と薬と水を持ってきたロー。
外科医といい、さすが医者だと思わせる素早い対応。


「あの……ごめんなさい」
「避けてたのはこれか」
「……ごめんなさい」
「次はすぐに言え」


怒らることなくほっとしたようにベッド際に座ったロー。
そのローを見て、は更にほっとしたように大人しく熱々のお粥を頬張る。





隠す熱






(一旦船が平和になるな)
(やっとバラされなくなる……)
、風邪大丈夫かな……)


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***
病人に過保護なローさん。


120912


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