「ちゃんほんと、運動神経いいねー」
A Time . -21-
上田城に引っ越し、すぐに佐助に馬の扱い方を教えてもらった。
最初は馬が勝手に走り出したり、振り落とされそうになったりと、大変だった。
「俺様ほとんど教えてない気がする…」
「わ、わたし、体で覚えるタイプなんです!」
「うん、そう見える。旦那と同じ分類」
それは褒めているのか。
多分馬鹿にしてるのだろうが、主のことまで馬鹿にしていいのか。
「あ、ちゃん。刀は慣れた?」
「なんとなくは」
「そっかー。良かった、良かった」
何か裏がありそうな言い方だったが、は全く気にしない。
「あ! 今度暇なときに手合わせしてください!」
「うん。じゃあ今からやろうか」
「え?」
暇なときとは言ったが、まさか今からと言われるとは思わなかった。
「俺様、明日から忙しくなりそうだからさ」
そう言った佐助の顔が、いつもより真面目だった気がした。
でもは、任務なのかな、としか思っていなかった。
「あ、刀取ってきます!」
「うん、いってらっしゃい」
刀を買ってもらってから佐助に見てもらうのは初めてだ。
自分に一番合った刀で、打ち合ったときの感想を是非とも聞きたい。
早く手合わせしてほしくて、すぐに刀を取って佐助のところに行く。
「お願いしますっ!」
「おー、すごい気合い」
全速力で刀を取り、すぐに構えると、佐助にそう言われた。
「幸村様には負けます」
「そりゃそうだよねー」
あの人に勝てる気合いなんか、信玄くらいだ。
その信玄の影響か、武田家には熱い人が多いが。
「よし、じゃあ行くよー」
「はい!」
先日考え抜いた構え。
毎日の鍛練で少し慣れてきているはず。
佐助は、その辺から持ってきた刀を構え、いつも通り最初は真っ正面から攻撃してきた。
はそれを受け止めることなく避け、背後に回り込んで攻撃を仕掛ける。
忍の佐助にそんな攻撃は通用しなかったが、佐助が受け身に変わったことに変わりはない。
以前だったら、終始が受け身の体勢で、攻撃を仕掛ける余裕などない。
その後も何回か攻守交代を繰り返し、の体力が底をつきかけたところで、止まった。
「ちゃん、すごいねー。刀が合ってるってのもあるけど、確実に前より強くなってるよ」
「本当ですか!? 一人で鍛練してても、そういうの、分かんないんですよね」
「そうかもねー」
佐助に久しぶりに相手をしてもらって思った。
相手がいた方が、確実に成果が上がっている気がする。
今度からは誰か暇そうな人に相手をしてもらおう。
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この連載が1番更新が少ない気がする。
100907