躑躅ヶ埼館の朝は驚くほど早く、騒がしかった。






A Time . -04-






電気のない戦国時代は、日が落ちると活動をやめ、日が昇ると活動を開始するらしい。


(慣れるのが大変そうだな……)


また一つの不安が増える。

何をしたら良いか分からず、縁側に腰掛け、空を見上げてみる。
すると突然、後ろから声をかけられた。


「どうしたの、ちゃん。ボーッとしちゃって」


振り向くと、そこには佐助がいた。


「佐助さんこそ、どうしたんです?」
「ん、朝餉。それに大将からの伝言も」


見ると、佐助の手には食事が。


「あ、ありがとうございます」
「そんな改まんないでよ。暇な時は、館内なら自由に歩き回っていいってさ。それと、女中の手伝いをしないか、って」
「手伝い、ですか?」
「うん、人手の多いことに越したことはないからね」
「迷惑でないのなら、是非」


これで少しは役に立てると思うと、少し楽になる。
それに館内を散歩出来るのなら、この時代のことが、少しでも知ることが出来る。


「じゃ、よろしくねー。ささ、冷める前に食べちゃって」
「はい。いただきます」


が食事を始めても、佐助は立ち去らず、沈黙が続く。
遂に沈黙に耐えられなくなったは、疑問に思っていたことを聞いてみる。


「あの、佐助さん。幸村様、風邪でもひいてました?」
「へ? なんで?」
「昨日、真っ赤だったので……」


その言葉を聞いて、佐助は思わずぷっ、と吹きだしてしまった。
何かまずいことでも言っただろうか、と思っただったが、そうではないらしい。

佐助は長年あの主といて、風邪をひいたところなど、記憶にはない。
しかし、赤面は数えきれぬほど。


「あー、あれは……」


一瞬言っていいものかと、言葉をつまらせたが、そのうちバレることだろう、と続ける。


「旦那、かなーり初心だからさ」
「うぶ、って、私何も……」
「昨日ちゃん、不思議な服装してたでしょ? あれが旦那には刺激が強かったらしくてさ」


不思議な服装と言われても、ピンとは来なかったが、この時代にTシャツやショートパンツなんていう服装はないことを思い出し、納得する。
しかし、現代とっては寧ろ質素な服装。
益々幸村という人物が分からなくなり、再びは頭を抱えたくなる衝動に駆られた。

理解不能だという表情なに、思いがけない言葉をかける。


「今度、旦那の手を握ってみたら分かるよ」
「え、そ、そんなこと出来るわけが……!」


顔を赤に染めて反論するを見て、この子も旦那と同じかー、と呑気に思う。
いきなり手を握るなんて、と小声で呟き、あたふたするを見ていると飽きない。

しばらく笑顔で見ていたが、長居しすぎたかな、とに聞こえない程の声で佐助は呟き、いつの間にか食べ終えていた朝餉のお盆を持ち上げる。


「それじゃあ、俺様はそろそろお仕事、お仕事っと」
「あ、いろいろとありがとうございました。実はちょっと悩んでたんです。私、ここに居ていいのか、って」
「そっか。また悩んでる時は俺様を呼んでいいよ、なーんてね」


ふざけた様子の佐助は、には丁度よく、楽になれる。


「そりゃ不安になることもあるだろうけど、大将も旦那も、困っている女の子を見捨てたりしないから」
「はい。ありがとうございます」


不安がどんどん浄化されていくようだった。
あれだけ思い悩んだ自分は、馬鹿だったんじゃないかっていうくらいに。




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***
自分、文才がなさすぎる……!
そして段々短い。

今時の18歳でこんなに初心なのはおかしい。
しかし中にはいるんだ! きっと!←


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