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薬師が来てから、ただでさえ少なかった休みが、更に減った気がする。


「あ、殿。ちょっといいか?」


なぜか会うたびに彼に呼び止められるからだ。


「なんですか?」
「どこか色々な器具が手に入る場所を教えてくれないか?」
「休憩中なんですが」


最近はあまりにも声をかけられる確率が高いので、最初からチクチクと出していた嫌悪の眼差しも、今ではあからさますぎるほどになっている。


「だから声をかけた」


だがいつもヒラッとかわされる。


「私を過労死でもさせる気ですか」
「いやいや、何分西から来たものでね。この辺の地理には疎くって」
「探検でもしてみればいいじゃないですか」
「冷たいなー」


それだけ寝不足が続いていることを察してほしい。
空気が読めないわけじゃないだろうから、わざとなのか。
いや、単に空気が読めないだけな気もしてきた。


「誰か、その辺の女中に聞けばいいじゃないですか。きゃー、かっこいい! って評判ですよ」


元々感情がこもっているとは言えない口調だが、それ以上に棒読みで女中たちの真似をしてみせた。
確かに顔面は整っているが、休養の邪魔でしかないこの男を、かっこいいとは思えない。


(ただの優男っぽい)


しかしその優男に、実質負かされたのだから、余計に気に入らない。


「普通の女中はそんな店知らないよ」
「そうですね。忍も知りません」
「嘘つく気ある?」


棒読みを続けるのそんな嘘で、逃がしてもらえるはずもなく、結局行きつけの器材屋に案内することになってしまった。
時折大袈裟に欠伸をしてみせるが、藤十郎はそんなのを全く気にしていない。

さっさと帰りたくて、は早足で歩くけれど、藤十郎はその後ろをゆっくりと歩く。
合わせる気はない、自分に合わせろとでもいうように。


殿はいつから上田に?」
「幸村様が上田を任されてからです」


諦めて藤十郎の速さに合わせたら、突然話しかけられる。
他愛もない雑談だ。

もちろん自分がそれを望まなかったからだが、そういえば藤十郎と雑談したことなどない気がする。


「ずっと幸村殿に?」
「はい」
「そっかー。真田の忍隊って言ったら有名だよね」
「忍が有名だなんて不本意すぎます」
「確かに」


風貌が目立つだとか、長だとか、そんなことは除いても特に佐助は有名すぎる。
その辺の武将よりも名が知れている。

はまだそこまで名が知れているわけではないが、先が心配になる。
忍が有名になっても、任務が困難になるだけだ。

ぐちぐちと文句を言いつつ、忍具から何まで揃うと評判の店に着いた。
薬師がすり鉢やらを買っているうちに、も苦無を補充する。


(前の任務で無駄にしすぎたからな……)


ほとんど休憩のないことに対する八つ当たりで、だ。
長い暇が欲しい。




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***
何このオリキャラ夢。
相変わらずキャラの口調が定まらない。


100908
040303 修正