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敵に通じてた藤十郎は恐らく殺すだろう。
そんなことを考えていた丁度その時、報告が入った。


「長、藤十郎が逃げました!」
「は? 見張りは?」
「眠らされました」
「……やられた」


そんなものをまだ隠し持ってたとは。
彼にかかれば忍さえも眠らされてしまう。

助けが来るかもしれないとは警戒していたが、まさか自分だけで逃げるとは考えなかった。
もう味方と合流しているだろう。
被害の大きい今、追うのは得策ではない。

佐助はそのことを部下に伝え、自分は幸村のところへ報告に向かった。
そういえばのことも報告していないな。


「猿飛佐助、報告に」


ほとんど部屋にいない幸村が珍しく報告を部屋で待っていたらしく、入れ、とすぐに声がかかった。
余程報告を待っていたのだろう。


「藤十郎は逃げたが、追わせなかった」
は」


幸村は端から藤十郎のことなどどうでもいいらしい。


も藤十郎の近くにいた一人だ。例のやつに感染してた。その状態で竹中半兵衛と交戦してて危なかったところに俺が」
「大丈夫なのか」
「今医者に診てもらってる。落ち着いたらまた報告にきます」
「わかった」


身近とはいえ、忍の怪我でこれほど一喜一憂するのはどうなのか。
忍としては居心地はいいが、たまに忍ということを忘れそうで、忍殺しとも言える。
重傷の忍など、切り捨てられるような軍さえありそうだ。

そうでないからこそ、真田は忍隊が成長したのだろう。


(さて、と)


そろそろの治療も終わっただろう。
そう思い、忍小屋のの寝る一室の戸を開けると、既に医者の姿はなかった。

熱のためか、怪我のためか、少し荒い呼吸ではあるが、規則的に上下するを見てとりあえずは安心する。

寝苦しそうなを見て、優しく頭を撫でてやると、目を覚ましたようで薄く瞼が開いた。


「……長?」
「うん、調子は?」
「そこそこ……」
「……そう」


嘘とは分かっていたが、のことだ。
聞いた時点で強がることは分かり切っていたし、否定しない方がいい気がした。




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140304 修正