018
ローがに近づいても、思考回路が停止しているのか、それ以上は動かない。
「そんなに驚くことかよ」
「な……! 驚くにきまっ……」
全て言い切る前に、俯いてた顔を無理やりローの手によって上げられ、唇を塞がれた。
ローの唇によって。
触れるだけですぐに離れたその行為によって、の顔は更に紅潮し、ローを突き飛ばしてあっという間に部屋を出ていってしまった。
対する突き飛ばされた本人は、よろけることさえなく、いつもの不敵な笑みを浮かべていた。
***
「ペンギンペンギンペンギン!」
「どうした?」
自分の名前を叫びながら突進してきて、そのまま背中に張り付くに何があったか尋ねても、返事は返ってこなかった。
ペンギンはシャチとカードゲームを楽しんでいたのだが、にとってシャチは用なしらしい。
相手にされないシャチは少し不満そうな顔をしているが、それよりもが気になる。
「どうした?」
を背中から剥がしてもう一度尋ねると、真っ赤な顔で言いにくそうにゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
「キャプテンに、はじめて、奪われた……」
「…………は?」
ペンギンが何か言う前に、シャチが反応した。
毎日同じベッドで寝ているとは聞いてたから、とっくにやることはやっているか、まったく女とは見ていないかと思っていたが。
どちらでもなかったらしい。
それにしても、時間帯にしても、の様子にしても、の乱れていない服にしても、男女が行為に及んだ後とは思えない。
「、キャプテンに何されたって?」
改めて聞かれて一層顔を赤らめる。
「……ち、ちゅー……」
「……ぷ……」
「シャチ! 笑わないで!」
シャチに言ったら笑われる。
そう思ったからペンギンを探したのに、よりによって二人が一緒にいるなんて。
それでも言ってしまった。
ペンギンはペンギンで、なるほどそっちか、なんて呟いてる。
のそういった経験がゼロに等しいことは容易に想像できたが、ローが今更手を出したことにも驚く。
しかもキス止まりと言う。
「……胸も……揉まれた」
「……確かにでかいかも」
シャチがそう言うと、胸を隠されてしまった。
名残惜しそうなシャチの目を見て、呆れ返るペンギンも、口には出さなかったものの、同じようなことを思う。
は普段つなぎ姿で、体のラインなど全くわからない。
つなぎを与えられる前の服だってには大きすぎるサイズで、そんなことは分からなかった。
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